「K2600」から、いったい何年ぶりになるんでしょうか。Kurzweil社が伝説の「K2シリーズ」を復活させました。その名も「K2700」!
……って、よく見るとちょっと同社のパフォーマンスキーボード「PC4」っぽいですが、あんまり細かいことは気にせずスペックを見てみましょう。
うん、やはりというか256音ポリV.A.S.T音源、16パートマルチ、6オペFMシンセエンジン、VA-1ヴァーチャルアナログオシレーター、KB3モードと、基本スペックはPC4を踏襲ですね。
大きく違うのが、リボンコントローラーの搭載と、ドラム入力用の16パッドの追加。オーディオインターフェイスの機能もアップグレードされてるようです。
あと、ユーザーサンプリングメモリ(フラッシュメモリ)が2Gバイトから3.5Gバイトへと増量されました。Kシリーズは、いちおうサンプリングワークステーションに分類されるので、面目躍如といったところでしょうか。
アウトプットは32bit D/Aのステレオ2ペア、プロ仕様のバランスアウトと、こちらもPC-4準拠ですね。
そのほか、鍵盤はFartar社製の「TP/40L」。40シリーズはL、M、Hとウェイトが重くなっていくので、軽めなタッチのピアノ鍵盤になります。
なお、過去のKシリーズとのプリセットの互換性ですが、ざっくりマニュアル見てみましたがスペックシート以上の特筆する記載はなし。実は「PC4」でもKシリーズのプリセットは読み込めるので、同等と見て良いでしょう(過去のKシリーズのROMをそのままのせてるわけではないので「プリセットは読み込めるけど完璧に再現ってわけではないですよ」といった感じでしょうか)。「PC3K」準拠と見るなら、ユーザーサンプルを使ったサウンドは100%の互換性、サンプルROMのプリセットの再現度はだいたい80%くらいとなります。また、拡張ROMの「KORE64」に加えてピアノ系のオプションも標準装備なので、PC3/PC4サウンドは完全互換です。
で、ひとつ気になったのが重量。
「PC4」が13.01kgと88鍵のフルウェイトハンマーアクションにしては軽めだったのに対し、「K2700」は24.50kgと重量級になりました。このへん、Fatar社の鍵盤に戻したのが要因だと思われます。
さて「PC4」の熟成版といった趣の本機、完全新作のシンセでないのは残念ですが、仕上がりは良さげな感じで楽しみな一台ではあります。また何年か後には、本気の「K3000」も見られるかもしれませんしね。