UVI社のハイブリッドシンセサイザー(というかサンプリングワークステーションというか)「Falcon」の最新バージョン「2.1」がリリースされました。ついでに新規購入30%オフ+エクスパンション2個無料キャンペーンも実施中です(10/18まで)。
これ100%使いこなせてるヤツいるのかよ状態の「Falcon」ですが、今回もけっこう強力なアプデが入ってます。イベントプロセッサ系の強化と40個の新規ウェーブテーブルに100個のファクトリープリセット、それから新しいエフェクトとして「Magnetic Bass Shaper」「Feedback Machine」が追加ですね。
機能の詳細はUVIのウェブサイトと、以下のムービーをご覧いただくのが早いでしょう。
さて、マニアユーザーの方はUVI Portal経由で早速ダウンロードしてるでしょうから、とりあえずまったく知らない方と、なんとなく興味のある方に向けて解説を。
Falconについて
「Falcon」はフランスUVI社が開発しているサンプリングベースのソフトウェア/プラグインです。
ヴィンテージシンセの壮絶なコレクション「Vintage Vault 3」や、フランス国立音響音楽研究所(IRCAM)と協力してつくられた「IRCAM Solo Instruments 2」など、ライブラリもたいへん充実しています。
実は「Falcon」は、最初はMOTU社から「Mach Five」の名で販売されてました(いまも同社のラインナップにはありますが、アップデートは止まってます)。
それが開発元のUVI社に戻り、新たに「Falcon」のブランドネームで「1.0」となったわけです。
同時に「Mach Five」ユーザーには格安のクロスグレードパスが用意されたため、乗り換えた方も多いのではないでしょうか。
なお、同社が無償配布している「UVI Workstation」と、サウンドエンジンは共通です。
というか、「Falcon」がその「サウンドウェア」の開発プラットフォーム的な位置づけですね。
で、もともとはサンプリングワークステーションとして誕生した「Mach Five」なのですが、バージョンアップ毎にガンガン機能が強化され、「Falcon」となったいまはサンプリング、ヴァーチャルアナログ、各種デジタルシンセシスが融合した、ハイブリッドインストゥルメントへと成長しています。しかも、モジュールを自在に組合せられるセミモジュラー構造です。サンプラーという領域を遥かに超えた、超強力なシンセサイザープラットフォームといって過言ではありません。
あとはLua言語を駆使すれば、自分でサウンドウェアの開発も可能です(Luaはプログラムが組める方なら普通に問題なく扱える言語です。実装自体も小さいのでゲーム製作でもスクリプト言語としてたまに使われたりします)。
ほんと、とんでもないモンスターに進化してしまいました。
機会があればもうちょっと解説してみたいですが、とりあえず今回はアプデの目玉でもあるエフェクト「Magnetic Bass Shaper」と「Feedback Machine」にしぼり、少しだけ触ってみたのでレポートしておきます。
Magnetic Bass Shaperについて
「Magnetic Bass Shaper」はドライブエフェクトの一種で、ワウペダルのビンテージ部品で有名なFaselインダクターのサウンドをモデリングしたものです。UVIらしく、またマニアックなところを突いてきます。
ちゃんと「赤」と「黄」、両方のモードが用意されてますね。「2.1」で新たに用意されたプリセットにもいくつか使われてますが、既存のプリセットにかけてもOKです。かなりいい感じのサチュレーションサウンドが得られます。っていうか、これかなり良いですよ。
Feedback Machine
「Feedback Machine」は、既存の「Effect Rack」の拡張です。基本的な部分は「Effect Rack」と同じですが、つくったエフェクチェーン全体にフィードバックループを設定できます。
これも相当に面白いです。パッド系の音にはかなり有効。が、簡単にハウリングして音が鳴りっぱなしになるので注意しましょう。使いこなしにはいろいろ研究も必要そうです。
キャンペーンは10月18日まで!
さて、「2.1」は「Falcon」登録ユーザーには無償アップデートで提供されています。
で、新規購入者向けには、定価から30%オフに加えてエクスパンション2個が無料でもらえるキャンペーンも実施中です。ついでにサウンドウェアの購入に使える$100分のバウチャーもついているので、実質かなりお得です。
無料の「UVI Workstation」もよいですが、シンセサイザーの音づくりが大好きなら、この機に「Falcon」に乗り換えて、より一層の高みに昇ってみるのも悪くないかもしれません。